本間太郎くんの思い出 2

記録に残しているものだと私が最初に観た天国のライブは2008年の3月15日になります。
場所は荻窪のvelvet sun。初めての場所だったので地図を書いて行ったのですが、結局迷ってしまって本間くんに電話して迎えに来てもらった記憶があります。あの時はありがとう。迷惑な客でごめん。

不思議なことに私は本間くんのピアノを初めて聴いた時の記憶が残ってないです。
でも何を思ったかは多分わかります。「あ、この人のピアノ、バンドじゃん」と。
彼のピアノはメロディもベースもドラムも全部ありました。静も動も、大も小も全部。
音数が多いのに一音で引きつける力も持っていました。お世辞抜きで彼は私が観てきた中で1番のピアニストです。

さて、この年は9月23日に自主企画『サブカルヒステリーアワー2~劇場型音楽テロリズム~』を開催しました。出演は
・locolo code
・天国
・ペンギン人格
・日比谷カタン
・る*しろう

「主催イベント」の方に当日の記録も載っていますが、個人のサイトの方に書いていたライブレポートが残っていたので、その一部を抜粋します。(すごく偉そうな口調で書かれていますが寛容な心で読んでください)

2番手、天国。
どう攻めてくるかと思ってたら、1番最初に新曲が披露された。
次に「道標」→「集約」の黄金パターン。(パターンなのか?)この2曲は俺も個人的に大好きだし、特に天国らしい曲だと思う。以前からソロないしバンドでやっていた曲は、天国でやることを前提にして作られていないので(それは「道標」にしてもそうなのだが)、つい別バージョンもありきというフィルターを通して見てしまいがちになるのだが、この2曲に関しては、そういう雑念が入り込まないだけの説得力のあるアレンジになっていると感じる。詞も単純だし(深いけど)、宮國さんのボーカルと本間くんのピアノの対比を最も明確に感じ取れる曲じゃなかろうか?
ここまでの流れでディープな世界観を突きつけておいて、一転して肩透かしを食わせるかのように「おバカさん」に流れるのも秀逸だ。いかに凄みがあっても、ある一定の方向性だけに進み続けると必ず飽きてくる人は出てくるものだ。ある程度行ったところで「こんなこともやるんだ」と思わせると、ライブ全体に心地良い起伏が生じるし、逆にそれまでの流れで掴みきれてなかった客層にも、新たなインパクトを与えることができる。
最後は「砂」で締め。アコギの弾き語りバージョンでの物悲しい雰囲気も好きだが、天国バージョンになってもやはり名曲。意表をつくような展開はないが、メロディは美しいし、宮國さんのボーカルの凄みを顕著に感じられる。これこそ歌だ!歌ってすげーぜ。
もちろん宮國さんのボーカルだけでなく、本間くんのピアノも素晴らしかった。が、クラシカルな奏法を取り入れてダイナミックな演奏を見せてはいるものの、実は天国においてのピアノは、しっかりと裏方に徹しているんだということに気づいた。もちろん素人目にも彼のピアノの技術は素晴らしいのだが、バンドの立ち位置として、歌が主でピアノが従という形を保っているので、天国の音楽は歌モノとして心地良いのだ。

天国のライブが終わった瞬間に隣にいたる*しろうのスタッフさんが「すげー」と言ってたのを聞いて、心の中でガッツポーズしました。

イベントが終わった後は結局3人で朝まで飲んだのですが、本間くんは特に日比谷カタンさんと会えたことが嬉しかったみたいで、このブッキングをとても喜んでくれました。

この年はその他に4本ほど天国のライブを観ましたが、11月13日のものが特に面白かったのでそちらを少し振り返ります。

会場は代々木のBogaloo(現Barbara)。
対バンは森川祐護、NGATARI、coholi、日比谷カタン、というかなりお馴染みのメンツ。
ちなみにcoholi(コオリ)というのはこれもお友達の阿部くんがやっていたとても面白いバンドだったのですが、生憎とあまり活動が続きませんでした。

またライブレポを一部抜粋します。

今日も本間くんだけが先にステージに上がって徐に演奏スタート。曲は「道標」だ。序盤は即興っぽかったが、はっきり「道標」だとわかるくらいに、宮國さんが何故かミカンを持ってステージに現れる。今日はこのミカンいじりがやけに客を沸かせていたな。続く「集約」では序盤の「ああ・・・」ってとこでやたらウケていた。宮國さんも思いの外ウケたので、調子に乗って3発目では意図的に艶っぽい声を出してたように思える。そういう遊びを入れつつも、決して軸のぶれないステージが出来ているのが天国のいいところだ。
それはさておき、ベルサンの時も思ったけど、今日も本間くんが手強かったな。決して自分が主役になろうとはしないんだけど、最近はただ宮國さんを立てることには徹していない感がある。図式としてはデレデレ宮國VSツンデレ本間てとこか。宮國さんの掛け合いの誘いにストレートに乗らず、肩透かしを食らわせてから乗ってあげる感じで、ずっこけ感と微笑ましさの同居した2人の空間が出来上がっていた。今日はそういった笑いというか、エンターテイメント性も十分に感じられるステージだった。
その後は「アブラムシ」「砂」と続いてラストは「踊る王様」。やはり王様は激烈にカッコイイ。ピアニスト本間太郎の攻撃的な面を押し出したアレンジが冴える。
アンコールでは「重力からの解放」を披露。この曲も天国バージョンによって如実に様変わりを果たしたが、アレンジャー本間の力量を感じさせる1曲だ。

自称天国マニアとして申し訳ないのですが、『アブラムシ』と『踊る王様』がどんな曲だったか思い出せない。テンション高い系の曲だったことはわかるのですが・・・

この年は12月30日がライブ収めでした。ドラムの渡部正人くんが初参戦(?)でした。

1曲目は「集約」だった。あんまりないパターンだな。ここでのドラムの絡みは非常に見事だった。序盤の抑えた部分ではドラムもきっちり抑えて空気作ってたし、間奏のピアノとの絡みとか最高だったね。やっぱ変拍子をかっちり合わせてくるとカッコイイわ。
3曲目に「おバカさん」でまた雰囲気をお祭に戻す。前回に比べると宮國さんのオンナっぷりがやや落ちていたが、猛烈なドラムソロを入れたりして結果的には大盛り上がり。天国であんな叩きまくりのソロ入れていいんか?(笑) ちなみにソロの間、宮國さんがずっと静止していた。結構長かったから途中で動いちゃうかなと思ったけど、最後まで止まっていた。エライ!
続く「踊る王様」でも叩きまくり弾きまくりのインスト隊に挟まれ、宮國さんは若干苦戦しているようにも見えたが、その苦境をも楽しんで自らも自由気侭なパフォーマンスを展開。最近あんまり聞かなくなったお得意のインチキ外国語でラップをぶちかましたり、これもいい感じにウケていた。
最後はダンスナンバー「行ッタリ来タリ」。途中でピアノソロが入り、一箇所聴いたことのあるフレーズが耳に入ってきてそれがすごく気になった。後でジョーダン・ルーデスのソロ音源からの拝借だと聞いた。ああ、なんかそんな気がする。「RYTHEM OF TIME」に入ってる曲だったかな?
その後、今度は宮國さんが唐突にQUEENの「We Will Rock You」始めちゃうからもう爆笑である。本間くんもそれの応えてちょっと弾くし。なんだ今日のノリは(笑)
いやはや、今日は本当にお祭だったな。みんなすごい楽しそうで良かった。

3に続く