ノイズミュージックを楽しむ

つい先日、スカパーのBAZOOKAという番組で、「はじめてのノイズ音楽入門」というプログラムが放送された。非常階段や大友良英をゲストに迎えて、初心者にもわかりやすい形でノイズを紹介していて面白い内容だった。

かく言う自分も初心者ではあるが、近年ノイズミュージックに触れる機会が増えてきたこともあり、おこがましくもノイズの紹介に挑戦してみようかなと思う。世の中にはノイズを聴いて30年みたいな無形文化財みたいな人もいるので、深いお話はそういう方々にお任せするとして、単純に「自分はこういうのを聴いて面白いと思ったよ」という話にしたい。

Fenn O’Berg -「The Return of Fenn O’Berg」

振り返って思い出してみると、多分最初にいいなと思ったのがこれ。

多分これに関してはノイズ以外の呼び方もあると思うのだが(実際ジャケットの帯にはエレクトロニカという表記がされていた)、細かいことは気にしない。ただしこれを買った当時、アルバムの内容全てを良いと思ったわけではなかったし、そもそもノイズという意識もなく聴いていたと思う。

Oval -「Panorama」

続いて、最近のお気に入りの1つであるOval。

この曲なんかは「綺麗なノイズ」の代表格じゃないだろうか。
BAZOOKAでは時間の関係もあるだろうけども、こういう電子系ノイズにほとんどスポットを当てられてなかったのが若干残念ではあった。こっち系はテクノやエレクトロニカなどを愛好する人なら割とすんなり聴けてしまうと思うのだが。

池田亮司 -「Data.Microhelix」

非常階段と並んで、日本のノイズを語る上で欠かせない池田亮司。

あるいはこれもテクノという括りの方が正しいのかもしれないのだが。
もしノイズミュージックの定義を「メロディやリズムなどが選別されていない音楽」とするならば、池田亮司のそれは明らかにノイズではない。音色こそノイズではあるけれども、恐ろしく精緻に選別がされている。

とはいえ、BAZOOKAのノイズ特集が内容2時間で非常階段の後に池田亮司が出てきたら、また出演者を混乱させそうで面白かったろうにと思ったりした。

Carl Stone -「Moon Dance」

愛読書である『アヴァン・ミュージック・ガイド』で紹介されている音楽家であり、著者の1人でもあるCarl Stone。

ちなみにアヴァン・ミュージック・ガイド上では「コンピューターミュージック」という項目で彼のことが紹介されている。確かにノイズっぽくはないし、この曲ではむしろ意図的に盛り込まれている<無音>が与えてくれる緊張感がたまらない感じ。

とりあえず今回はここまで。また機会があれば。