る*しろう、天国に続いて航(KOH)さんの『Do-Chu』を聴いたら、めちゃくちゃ良くて、とりあえず他のアルバムは聴かずに1本書こうと決めた。(他にもまだ『山吹』と『Tension』が手元にあるのだが、そちらも機会があればまた)
航さんとの出会いは多分13~15年くらい前と思う。私の中にあった「ピアノ弾き語り(特に女性の)」の固定観念をぶち壊してくれた方だった。その後もメンヘラっぽい弾き語りとか、超絶技巧の弾き語りをする人には出会ったけど、彼女のようなタイプにはいまだにお目にかかっていない。(ボーカルだけで見たらMujika Easelさんはちょっと近いかも?)
生で観ると本当に凄いピアノを弾く人なんだけど、改めて聴いてみたら歌の方に引き込まれた。全体を通してそんなにメロディックな歌はない。むしろ詩を朗読しているような、曲によってはお経を読んでいるような印象すら受ける。「情感たっぷりに」という形容が見事に当てはまらない。淡々としている。でも無機質なわけではない。
久しぶりに聴いてめっちゃいいなと思ったのに、なんとも言葉にするのが難しくて困ったので、過去のレビューを読み返してみたんだけど、やっぱりふわふわした文章で掴みどころがない。成長してない。諦めた。
あと彼女の魅力としてどうしても挙げておきたいのが、電子キーボードを使った時の音色のセンス。あれだけピアノを弾ける人がキーボードを使うとまったく別の顔を見せる。2曲目の「稜線」など、知らずにそれだけを聴かされたらノイズとかアンビエント界隈の人が作ったと言われたら普通に信じてしまいそうだ。
彼女の歌はお経のように聴こえることがあると書いたけど、このお経系の歌の時はピアノより断然キーボードが映える。7曲目の「diaphanous veil」然り。
いやー、ホントいい。いいしか言えない。
みんな聴いて。