ニュー・スポーツ・オンラインセミナー(2020.05.30~31)

5月30日と31日にライブ配信された、うしろ前さかさ族主催の「ニュー・スポーツ・オンラインセミナー」を観た。30日はアーカイブで、31日は生で観たのだが、どちらも大変面白かった。

概要

各出演者から送られたPVもしくはライブ動画+本人からの紹介動画もしくはうしろ前さかさ族の解説という構成で、2日間で全30組のミュージシャンが登場。知らない出演者が大半だったんだけど、みんな面白かった。プログレ系が多めだったが、ハードコアパンクやノイズのバンドもおられた。

企画する側の視点で考えると、やはり手軽なのがいい。
通常、30組の出演者を集めてその中に遠征組もいるとなれば手配だけでも大変だが、こうやって出演者一組につき1~2曲程度映像を提供するだけという形にすれば、時間もお金もかからない。
視聴者側もチケット代なしで未知のミュージシャンに手軽に出会えるのはありがたい。(投げ銭制にできれば良かったんだけど、確かあれはチャンネル登録者1000人必要らしい)

ライブ配信だけど生ライブではない。でもそれで良かったと思う。
爆音出してなんぼのバンドなんかだと、演奏をする環境と配信する環境の両方が必要になるし、それを追求していたらこれだけの出演者は集められなかっただろう。例えば配信環境は揃っているものの、自宅で演奏するため爆音が出せず大人しめな演奏しかできないというのであれば、それを配信するよりはライブハウスで撮影した過去のライブ映像の方がいい。
言ってみればこれは1つのショーケースとして観るべき配信なのだと思う。

私は、対バンイベントの醍醐味は未知のミュージシャンに出会えることだと思っているし、この企画はその要件を十分に満たしていた。

印象に残った出演者のみなさん

全部良かったんだけど、特に気に入ったものをピックアップ。

SleepingBeauty

テクニカルスカムという謎のジャンルを標榜。
自作楽器、デジタルビート、ノイズ、可愛げ、などなど。

死神紫郎バンド

PSP social

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百葉箱

提供された映像は吉祥寺シルバーエレファントでのライブで、いかにもシルエレに出てるタイプのプログレバンドなのだが、回転するキーボード(残念ながら縦回転ではない)が結構面白かったのと、定期的に自分たちでプログレイベントをしているとのことで要チェック。

百様箱(ひゃくようばこ) (@100ybk) | Twitter

日比谷カタン

ここで提供された「ヲとといヲいで」のPVを観て、この人のデザイナーとしての顔に改めて注目してみた。背景には浮世絵、政治家の対談風景、萌えアニメ、東京の繁華街、珍宝石、春画、スキャナーズの1シーンなどが矢継ぎ早に流れ、それと同時に歌詞もスクロールしているし、歌っているカタンさんの姿もある。情報量が多すぎてどこを追ったらいいのか分からなくなるのに、それらがバラバラではなく計算された配置になっている。

一見バラバラのようでいて計算された配置。これはそのまま彼の曲にも言えることだし、お作りになっているチラシなどでも確認できる。このデザインという視点にこの人の仕事を読み解くカギがありそうな気がするが、まだまだ私には計り知れない人である。

日比谷カタン (@katanhiviya) | Twitter

レザニモヲ

グロッケン(?)使った曲にヤラれてしまった。

曇ヶ原

曇ヶ原 (@kumorigahara) – Twitter

たたらの目

手数の多い出演者の中で圧倒的にクールな存在だったが、足りないものは何もない。

たたらの目 (@tataranome) | Twitter

XOXO EXTREME(キス・アンド・ハグ エクストリーム

プログレで踊るとかオヤジ殺しかよ。ずるいよ。

Emily likes tennis

あらゆる意味でずるい。

マリア観音

うしろ前さかさ族

うしろ前さかさ族 (@sakasazoku) – Twitter

おわりに

今後またライブハウスが普通に使えるようになってからも、事前企画としてこういうショーケースで出演者を紹介するっていうやり方はありなんじゃないかな?そうすれば目当ての出演者以外は観たくないって人も観て行ってくれる可能性が上がると思うし。