ulma sound junction ワンマンライブ@渋谷CYCLONE(2017.07.15)

2017年7月15日。待望のulma sound junctionの東京初ワンマンライブが渋谷CYCLONEで開催された。彼らがいつ頃から東京で活動しているのか、正確には知らないのだが、私が彼らのライブを初めて観たのが2009年なので、その頃から数えても8年経っている。本当にマイペースにここまで来たなという感じ。

我々が会場入りしたのはオープンから10~15分くらい経った頃。並んでいるかなーと思ったらそうでもなくて、入場順もあまり厳密に区切ってなかった感じ。皆さん「わかっている」お客さんだったようで、大体開演ギリギリでフロアも一杯になった。

意外にもというか、イントロダクションがお馴染みのちょっと呪術っぽいやつ(曲名があるのかは知らない)ではなかった。ワンマンということでそこらへんもちょっと工夫していたのか。

ただ第一部は割と普通と言ったら変だけど、あまり凝ったことはせずに長尺の曲をたくさん楽しめるって内容のライブ。普段30分枠のライブでは3曲、多くて4曲しか演奏できないわけで、今日は何曲聴けるかってのが我々オーディエンスの楽しみな部分でもあったし、どんどん曲をやってくれるのは素直に嬉しいところ。

MCは相変わらずのゆるゆるぶりで、この日は全員にマイクが行き渡ったことにより、よりまとまりを欠いていたように思えたが、それも許されるのがワンマンである。

前半だというのに「イデア」や「Silver Memory」では結構感極まってしまった。ずるいセットリストだ。第1部のラストは「Rotten Apple」。若干テンポ早めだったかな?アゲアゲだったー。終わり方もいつもとちょっと違って面白かった。


で、休憩を挟む。この休憩が結構長くて30分くらい取っただろうか?その間メンバーは普通にフロアうろついてお客さんと話をしているし、この辺もゆるい。
休憩時間後半にはスクリーンに「Rotten Apple」と、初公開となる「Corse of Life」(だったか?)のMVが音つきで流された。こういうものが流れるってことは、新譜の発売もいよいよか?と期待が高まるところである。


映像終了と同時に第2部開始。
1曲目に大好きな「1day a suite」を持って来てくれた。ウルマの曲ってものすごくヘヴィな面と、テクニカルな面と、ピースフルな面が上手く融合しているものが多いんだけど、この曲はそういうウルマらしさがすごく際立った1曲だと思っている。めちゃくちゃヘヴィな立ち上がりなのに、後半素晴らしく美しく展開するのがすごく印象的で、それぞれの部分を分けて聴いたら同じ曲とは思えないくらいだけど、それが違和感なくまとまっているのがすごい。

その後新曲を2曲、さらにメドレーなども披露して第2部はかなり攻めた構成だった。普通2部構成のワンマンライブってなると、やっぱり冒険は前半にして、後半にキラーチューン中心のセットリストを組みたくなるものだが、そうはしないのね。

メドレーとかもう展開しすぎてわけわかんなかったんだけど(笑)、とりあえず楽しかった。と言っても演奏している側は相当大変だったみたいで、途中指が攣って一瞬演奏が止まるなんてこともあったけど、次の瞬間には何事もなかったようにちゃんと続いてた。こういう呼吸の合い具合は、ずっと同じメンバーで続けてきたバンドならではのものだろうか?

ラストナンバーは「elem-5/6/7」。これもウルマらしいワビサビの効いた(?)名曲。これとか「1day a suite」とか聴けば、間違ってもウルマを変態系プログレバンドみたいなカテゴリーに括ろうという人はいないと思うし、本人たちも間違いなくそういうバンドとは違うマインドを持って音楽を作っていると思う。ただプログレファンの人にも聴いて欲しいなとは思うけど。

「ダブルアンコールは無しで」という断りを入れた上で、アンコールで演奏された曲はなんと「Villa」だった。アルバム『idealogy』のラストに収録されている、一見ビーチサウンドっぽい曲。これも意外っちゃ意外。勿論ウルマのことだから、ポップに始まってもその後バッキバキに展開するんだけど。
でもいざ演奏が始まってみると、この曲がラストで良かったなと思う。序盤のピースフルな部分を聴きながら今日のライブのこれまでを振り返って笑顔になり、その後のヘヴィな展開ではこれでもかと頭を振り、この1曲でまたウルマのことが好きな自分を再確認した感じ。

こんな最高なバンド、これからもずっと見続けていきたい。そう思いながら最後の拍手とメロイックサインを送った。

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